高齢者の居住と暮らしの選択、注意が必要です
超高齢化社会になり、高齢者が抱える個々の居住の将来と生活には様々な課題があります。
今回は、将来の生活にとって最適な方法が何なのかを、住宅にフォーカスして考えてみましょう。
一般的な方法としては、資産(自宅)を売却し、居住する一軒家、アパート、マンションを購入するか、賃貸し、将来の資金作りをすることが多いようです。
それ以外の方法として、自宅を売却或いは担保にして、資金を作り、そのまま現在の自宅に住み続ることができる方法がありますので、次の制度について、内容を整理しておきましょう。
1.リースバック
2.リバースモーゲージ
3.不動産担保ローン
セール・アンド・リースバック
リースバックとは、自宅を売却した後にもとの所有者がその自宅を借り戻す仕組みです。
・居住者は自宅をリースバック事業者に売却し、事業者は売買代金を居住者(所有者)
に支払う
・居住者は売却後、リースバック事業者と「建物賃貸借契約」を結ぶ
・居住者は、リースバック事業者に毎月家賃を支払う
リースバック事業者(買主)は、不動産会社、ファイナンス(クレジット)会社です。売買契約が成立したら、一括で売買代金が支払われます。
売主(居住者)は、売却と同時に建物賃貸借契約を結ぶことで、家賃を支払いながらもとの住まいに住み続けることが可能になります。
〇注意すべき点
・売却価格が相場より安価になる
買取り側は、賃貸借契約が終了すれば、売却して利益を上げる必要がある為
・建物賃貸借契約は、「普通賃貸借契約」で結ぶこと
建物賃貸借契約の条件として賃貸借期間を定められる「定期借家契約」の場合があ
ります。貸主が認めない限り賃貸借期間が満了すると、借主は退去しなければなり
ません。
●よくあるトラブル
・リースバック後、家賃が高く、支払いの継続が困難になった
・建物賃貸借契約の更新ができず、退去することになった
・家賃を値上げされた
リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、住み続けたまま自宅を担保にしてお金を借りる不動産担保ローンの一種です。
特徴としては、毎月利息のみを支払い、お金を借りた人が亡くなった時点で、担保となっていた自宅を処分して借りたお金の元金を返金する仕組みです。
空き家が増えている現代にマッチした資金調達方法として注目されています。
・担保評価は、市場価格よりも30~50%低い
賃料返済型リバースモゲージ
自宅をJTI(一般社団法人 移住・住み替え支援機構)が、移住・住み替えを希望しているシニア層の住宅を借り上げ、子育て世代を中心に転貸します。
制度利用者(家の所有者)は、JTIに最長35年一括借り上げで賃貸し、家賃を収入原資とし、家賃を担保に金融機関から融資を受け家賃で返済します。
〇メリット
・家を売却することなく現金化が可能
・売却を前提としていないため、家を保有し続けることが可能
・家賃をベースにして家を評価することにより、売却した場合と比較して、評価上有利に
働く場合がある
・売却しなくても住み替えができる
地方の空き家問題の解決や高齢者の生活改善の方法として、紹介しましたが、デメリットも大きく、注意する点も多々あります。
高齢者の住宅に関わる重要な判断ですから、信頼できる不動産業者に相談することをお勧めします。
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