地方の賃貸アパート経営は、立地で決まります
2015年の相続税法が改正された後、超高齢社会に突入した現在も、課税対象者や納税者となる方が増えています。
これから相続を迎えようとする家庭、既に、1次/2次の相続経験後、自身の問題と意識している方等、不動産という資産を様々な状態で保有している方にとって、未だに選択肢として有効と言われているのが、「賃貸アパート経営」です。
地方の人口減少を踏まえた地方再生への取り組みを期待しつつ、不動産所有者の方が「賃貸アパート経営」を検討する上で注意すべき点を整理してみました。
人口減少が顕著な地方では、立地で決まります
人口減少が顕著な地方では、先ずは、所有する不動産の場所が、賃貸アパートを供給できる環境の立地かを知ることが大切です。
例えば、
・入居者の需要予測
・既存の賃貸アパートの供給状況(間取り、賃料、築年数)等です。
また、賃貸アパート事業を行うための条件を知っておきましょう。
例えば、
・不動産を自己名義で所有していること
・土地と建てるアパートを担保に、長期借入をすること
・当該の、土地と建物で事業資金の融資が賄えるか確認すること(別担保)
・建築資金の10~30%程度の自己資金が必要になること
空室リスクと賃料の下落リスク
賃貸アパート経営では、立地が重要なファクターとなります。
需要が有ると計画した立地で、入居者があり、満室となり、計画した家賃収入が見込めることが、空室リスクのない安定事業へと繋がります。
収入計画は、空室リスクを考慮した入居率で計画はしますが、想定以上の空室リスクとなった場合は、主として賃料減額による対策しかなくなります。
賃貸アパート経営では、如何に立地が重要なファクターかと言うことです。
家賃収入の減少は、借入返済にも影響があります。
居住用は、事業用家賃に比べ、変動が少ないという利点があり長期の安定収入が見込めるから、長期の返済計画となっている訳ですから、立地条件の見誤りで起きる「空室リスク」による家賃の下落で、長期借入返済に影響がでることは、避けなければなりません。
10年以降の大規模修繕や経年による維持費の増額
アパート経営では、経年と共に、修繕費・維持費が増加し、逆に家賃は減額傾向になります。
長期(約30年)の安定収入で長期の借入返済が基本の事業には、経年により予測できる繕経費や大規模修繕の経費を見込んだ計画が必要になります。
昨今、サブリース事業者により、管理委託しているケースも多々ありますが、立地に無理があっても、「サブリースで借り上げですから大丈夫です。大家さんの収入は変わりません」という考え方は破綻します。
中小事業者との賃料トラブルは多く、本来のサブリース契約の利点が誤解されています。是非、大手の実績・信用のある管理会社との契約をお勧めします。
通常のアパート事業でも、需要のある立地だから安定経営が成り立つことが基本で、より良い管理を任せられる管理業者を見極めた選択が大切です。
賃貸アパート経営には、多くのメリットがありますが、やはり、相続対策の前に、事業として成り立つ立地条件の見極めが重要になります。
賃貸アパート経営は、当面の目的は相続対策でも、不動産を有効活用をするための長期事業となりますので、金融機関や税理士、不動産業者と相談することをお勧めします。
関連した記事を読む
- 2025/04/21
- 2025/04/19
- 2025/04/18
- 2025/04/16