滞納賃料の回収や明け渡し交渉には、法的手続きが必要です
賃料の回収業務はとても面倒です。一般的には、本人による賃料の回収業務はできない為管理業者が代理人として、督促、回収業務を行います。
しかし、貸主の代理人として報酬を得てする行為は、弁護士法に抵触する恐れがあるので、管理業者は貸主の補助をするに止める必要があります。
借主が賃料を払わず、賃貸借契約を解除された後も賃借建物の占有を続ける場合など、鍵を交換し、入室できないようにするなどの行為は、実力行使として「自力救済」と言われます。
貸主が「自力救済」により司法手続きを経ず、実力行使した場合、住居侵入罪、器物損壊罪、に該当する恐れがあります。
滞納賃料回収は、催告による法的手続きで進めます
賃料支払いの相手方は、借主、保証人、借主の同居配偶者にも、日常家事連帯債務として請求が可能です。
催告なしの無催告解除もあるが、通常の滞納より強い根拠が必要になるので、相当期間を定めて催告したうえで、解除手続きすることがスムーズです。
催告は口頭でもよいですが、事実を根拠として残す必要から、書面による催告が実務的です。通常の催告で効果がない場合、配達証明付き、内容証明郵便で催告します。
<催告の内容>
1.単純催告:本通知書到着後〇〇日以内にお支払いください。
2.契約解除予告付き催告:(単純催告文に加え)万一支払いない時は、契約を解除することになりますので、あわせて申し添えます。
3.条件付き契約解除通知:(単純催告文に加え)万一期間内にお支払いない時は、あら ためて解除通知をすることなく上記期限の経過をもって当然に賃貸借契約は解除されたものとします。
借主が支払いを約束した場合は、必ず、約束文書を残しましょう。
契約解除の場合は、意思表示の到達の証拠となるように、解除の意思を配達証明付き内容
証明郵便で行ってください。
建物明け渡しの業務も、法的手法で進めます
・借主が任意に明け渡しを承諾している場合
明け渡し期限の厳守
期限経過後の残置物の所有権放棄
残置物の処分の承諾
以上の内容の念書を取得しておきましょう。
・借主が任意で建物明け渡しを履行しない場合
法的手続きをします。民事訴訟により債務名義を取得し強制執行を行う。
・借主が行方不明の場合
家賃を滞納したまま長期不在あるいは行方不明となった場合は、契約解除の意思表示が借主に到達していなければ、法的効果は生じないので、公示送達を申し出て、契約解除、明渡訴訟を提起し、判決を受けて強制執行する方法になります。
煩雑な手続きをしなければなりませんが、急がば回れで、法的手続きを進めていくことが早道です。
詳しくは、専門家にご相談ください。賃貸管理はお気軽にご相談ください。

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