金沢の賃貸不動産を取り巻く環境変化
2020年の賃貸業界はコロナ感染拡大と繁忙期がまともに重なり、過去に経験のない賃貸業界の環境となりました。
お部屋探しの需要は、進学、転勤、結婚が主流ですが、全てがコロナ対策により、時が止まりました。
学生は、学校の対面授業開始迄、実家待機、会社員も移動制限やテレワークで、経済活動が止まり、ステイホームで転勤の意味のない状態が続いています。
冠婚葬祭も、制限された状態では、新居移転に至らない現実があります。
2018年問題で学生は減少、コロナによる家計への経済的ダメージ
大学・専門学校に進学しても、入学式も授業もなくリモートによる遠隔授業が現在も継続しています。結果、授業開始の見通しがつくまで、家賃節約の為、実家に戻る学生が殆どです。
コロナ禍でなくても、多くの学生は、親御さんの経済的負担を減らす為、アルバイトで生活費や家賃を補っている学生が多くいます。アルバイトは休業要請の為全く無く、遠隔地で一人暮らしている意味は全くなくなりました。
又、多くの親御さんがこれから更に深刻化するコロナによる経済的ダメージが家計を圧迫し、教育費や仕送りの負担が過剰になることが予想され、進学を断念するケースも懸念されています。
2018年問題は18歳人口の減少、学生数の減少を意味する学校側の経営課題ですし、学生向け賃貸事業のオーナーの方、その地域で永年、学生のお部屋の仲介をしてきた不動産仲介業者にとっては死活問題です。
減少する18歳入居需要と増加する高齢者、住宅確保要配慮者の入居需要
2018年以降減少する18歳入居需要が、高齢化社会において増加する高齢者、住宅確保要配慮者への入居需要に転換されると予想されます。
コロナによる世界経済の低迷予想もあり、賃貸入居需要は、ピラミッドで表現すれば、高家賃需要層10%、中間家賃需要層40%、低家賃需要層50%と言われています。
物件供給が多いのは、中間家賃需要層への供給が多かったのですが、経過年数と共に低家賃需要層への供給物件に変わりつつあります。
現状、多く供給された物件の中には18歳人口の減少から空室問題が起きている物件もあり、今後もコロナの経済的ダメージもあり好転する見通しはありません。
又、アスベスト問題では、鉄骨・鉄筋系の建物解体が2028年からピークとなり、建替え物件が新築物件として供給されると予想されています。S造・RC造の建物は市街地が多く、解体・建替えコストから、シェアの少ない高家賃需要層への新築供給となります。
増加が予想されているのは、高齢者、住宅確保要配慮者の入居需要で、中間家賃、低家賃需要層が増加します。
空室は需要のある入居者に対して供給されている物件にはできません。供給物件も年数と共に、劣化が進み低家賃対象物件へと変化していきます。
少なくなる需要ではなく、増加する需要に対応した供給をしない場合、地域の競合他社と奪い合い、シェア争いすることになります。
早期に自身の物件の入居者をターゲットすることで空室は改善できます。需要のあるところに供給すれば空室問題は解決できます。

関連した記事を読む
- 2021/03/03
- 2021/02/26
- 2021/02/09
- 2021/02/08